メディア・ユニバーサル・デザインコンペ

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第1回メディア・ユニバーサル・デザインコンペ入賞作品

メディア・ユニバーサル・デザインコンペについて

去る2007年8月23日(木)~24日(金)の2日間にわたって、全国を対象とした「2007第1回メディアユニバーサルデザインコンペティション」を開催しました。全国から総計201点の作品のご応募をいただき、厳正なる審査の上、27点の入選作品を決定しました。
今回の入選作品と審査委員長の講評、各作品の写真と応募票に記載されていた工夫点をご紹介します。
※各写真をクリックすると拡大します(別ウインドウが開きます)。

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優秀賞 (準グランプリ)
作品名:2008年度卓上カレンダー
山口芸術短期大学(山口) 糸原 愛美

2008年度卓上カレンダー作品写真〔工夫点〕
この作品は、健常者の使用を前提において、色弱の方が使用する場合を考えました。言い換えれば、健常者が見て綺麗だと思うものを、色弱の方にも綺麗と感じてもらえることをテーマにしています。
その点でもっとも気を付けたことは、カレンダーのイラスト部分の色味です。
私たちが普段よく使う赤や緑などの色味は、シミュレーションをかけると違う色味に変化しますが、今回はその変化を用いて色弱者用のイラストを作成しました。
また、カレンダーの機能部分の色の濃さや数字の大きさなども、健常者と色弱者の双方が判りやすいように仕上げました。


〔審査委員長講評〕
それぞれの月の花と宝石をモチーフにした絵を添えた卓上カレンダー。誰にでも美しくという趣旨で制作されており、多数の色を使いつつ、それらの色が色弱の人にもよく識別でき、色覚のタイプにかかわらず情報だけでなく情緒面においてもメッセージがきちんと伝わるような、審美性の極めて高いイラストを実現している。デザイン的な完成度は応募作品の中でも最高であった。
一方残念なことに、カレンダー本体については問題が多く、休日の数字の赤が平日の黒と区別がつきにくい色調であり、しかもデザイン面でも差がつけられていない。月によっては背景色と文字色のコントラストが弱すぎて、高齢者には視認しづらい。また、絵に大きなサイズを取られているために文字が小さすぎるきらいがあり、卓上でなく壁掛けサイズとして制作した方が見やすいと思われる。これらの点で、本作品はユニバーサルデザインのカレンダーとしては大きな問題を抱えているが、もし適切な工夫が施されてさえいれば最優秀賞になったはずの総合的なデザイン完成度を勘案して、優秀賞に含めた。

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優秀賞 (準グランプリ)
作品名:市税口座振替依頼書ハガキ
福島印刷株式会社(石川) 大路 靖司

市税口座振替依頼書ハガキ作品写真〔工夫点〕
この再設計におけるテーマは「記入者にとって判りやすい版面にする」であり、まさに「ユニバーサルデザイン」の実践です。
再設計前のものは、版面にメリハリもなく一様に作られていたため、記入者にとっては「どこから読み始めて、どこで終わればよいのか?」「どこに何を記入して、どこを記入しなくてよいのか?」など、大変判りづらい状態になっています。このようなことが、このハガキの利用を妨げている大きな理由と考えられます。
そこで、このハガキの利用促進を図るため、「ユニバーサルデザイン」の思想を採り入れて、記入者にとって「判りやすい」「記入しやすい」版面になるよう再設計しました。


〔審査委員長講評〕
区役所からの地方税納入通知のハガキの改良例。住民自身が記入すべき箇所をブロックごとに分かりやすく色分けし、逆に納付機関で記入する箇所は色を落とすことにより、間違えにくく配慮されている。忘れやすい税金納付日をカレンダーの形で分かりやすく示してあり、その配色とデザインもよく考慮されている。全体的な色の使い方も明るくさわやかであり、役所からの通知というイメージを一新したものになっている。

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優秀賞 (準グランプリ)
作品名:病院入院案内パンフレット
株式会社一心社(大阪) 北村 敏之

病院入院案内パンフレット作品写真〔工夫点〕

  1. 色の調整=暗い赤は黒と同じように見えるので、黒と隣り合う赤の色見を調整しました。見出しとなる部分の色を、黒と比べて目立つ色に調整しました。イラストや表、フロアー図では、隣り合う色同士が差のある色になるよう調整しました。
  2. ユニバーサルデザインフォント(字体)を使用しました。
  3. 文字の明瞭化=白抜き文字や太文字を要所に使用しました。
  4. 影付け=地図や文章などを立体的にし、目立たせました。
  5. イラストの見やすさ=手前にあるものと奥にあるものとを判りやすくするために、白で縁取りしました。
  6. フロアー図の工夫=小さくなって判りにくい部分は、線で引き出してマークや文字を大きく掲載しました。色数が多いため、白抜きや白縁を多用しました。障害のある方や歩行に支障のある方が利用する設備のマークを丸型にし、他のマークと素早く見分けられるようにしました。


〔審査委員長講評〕
病院の利用案内パンフレットである。一枚物の応募作品と異なり、図や表を含む多数のページからなるために配慮すべき項目も多いが、配色やレイアウトがよく工夫されていて分かりやすく、応募されたパンフレット媒体の中でも秀逸の仕上がりであった。
ただし一部に、背景と文字のコントラストが低く、白内障の人には読みづらい箇所が見受けられる。また、視力の低い人には視認性の悪い中抜き文字を多用しており、可読性が劣化している。この種の印刷物では、よりシンプルな書体でデザインを工夫した方がよい。細かい点では、施設案内マップでトイレが複数箇所にあるにもかかわらず、トイレのサイン表示が一箇所にまとめられているので、実際のトイレの場所が分かりにくくなってしまっている。

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優秀賞 (準グランプリ)
作品名:ネオ・コーテックス08カレンダー
株式会社ネオ・コーテックス(東京) 山下 禎彦・山口 麻矢

ネオ・コーテックス08カレンダー作品写真〔工夫点〕
色弱である人の色覚を考慮して、正確な情報を伝えるのはもちろん、色弱でない人にも同じように使用でき、楽しめるカレンダーにしたいと考えました。
色弱の人に見える色域は限られていますが、情報を伝えるために色を使用することを諦めたくはありませんでした。情報も色もしっかりと両立させながら、人それぞれの見え方、感じ方で色彩やデザインを楽しんでもらえるようにしたカレンダーです。


〔審査委員長講評〕
紙の切り抜いた部分の形で月の名前を示した、デザイン的に優れた、見て楽しい卓上型カレンダーである。多数の色を使い、日付の色や背景色も月ごとに変えているにもかかわらず、明度や配色をよく工夫することにより、平日と休日などの情報が色弱の人にも明瞭に識別できるようになっている。
文字の視認性はほとんどの月でよく配慮されているものの、1月だけはシルバー背景に白文字でコントラストが低いため、白内障等の人にほとんど視認できず、照明の具合によっては一般の人にも見づらいので改善が望まれる。また、月名は紙を切り抜いて表した数字以外には英語でしか表示されていないが、8月のように切り抜きがほとんど数字に見えないものもあるため、デザインを損なわないように工夫しつつ日本語での月名も印刷した方が実用的である。

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優秀賞 (準グランプリ)
作品名:処方薬の用法をシールでユニバーサルデザイン化
大阪シーリング印刷株式会社(大阪) 桐原 真希

処方薬の用法をシールでユニバーサルデザイン化作品写真〔工夫点〕
処方箋の用法をシールでユニバーサルデザイン化しました。用法を視覚的にアピールするピクトグラムと用量を書き込む形式を一体化したシールを薬剤包装に直接貼り付けることで、薬の識別を容易にしてあります。


〔審査委員長講評〕
薬ごとに違っていて間違いやすい服用時間を分かりやすく示すサイン。薬袋の表示と、薬のブリスターパックに貼り付けるサインとがセットになっている。赤青黄の配色とシンボルマークを組み合わせて、明瞭に区別できるように工夫されている。解決を目指した課題の重要さとデザインの分かりやすさから、評価が高かった。ただし実用性を考えると、薬袋の表示部分は薬の効能や注意書きに記載されている一般的な文字量に比較して、印字スペースが不足している。またブリスターに貼り付けるサインは、ブリスターの端に印刷された薬の名前が見やすいよう、裏から貼りつけるようにした方がよい。1つの家庭で薬を服用する人は何人もいるのが普通なので、「誰の薬か」を記入するスペースもサインに設けてあるとよい。

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優秀賞 (準グランプリ)
作品名:Marukyu Uri-Dashiチラシ
瞬報社オフリン印刷株式会社(山口) 松永 明紘

Marukyu Uri-Dashiチラシ作品写真〔工夫点〕
文字に縁を掛け過ぎたチラシは紙面がチカチカして見づらくなるので、スペック部分を白窓にして見やすくしました。スペックを見やすくした結果、その他の文字との見分けもつきやすくなっています。
文字のサイズを大きくして、高齢者にも読みやすいよう配慮してあります。


〔審査委員長講評〕
スーパーの特売価格を知らせる折り込み用のチラシ。商品の価格を写真の上にかぶせず、白背景の上に表示することにより、誰にでも分かりやすく情報が伝えられるように工夫されている。ハッチングを効果的に利用し、赤の色調も色弱者にも見分けやすいものになっている。この種のチラシの応募は少なかったが、身近な印刷物のユニバーサルデザインを訴求する点で意義が大きい。
ただし、隠ぺい性の高い用紙を使わないと、白地の部分に背面の印刷が裏映りして見えづらい可能性もあり、両面印刷の場合は工夫が必要かもしれない。

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特別賞
作品名:日本の伝統的文様を用いた文具提案
新日本印刷株式会社(東京)

日本の伝統的文様を用いた文具提案作品写真〔工夫点〕
付箋は、紙の色および紙の先端に付けた色を利用して、書き込む内容や貼り込む内容を分類して使用することが多いです。また、ファイル類の色のバリエーションは、挟む内容を分類するのに用いられることが多いです。
そこで、色のバリエーションで見分ける方法として、日本の伝統的な文様を印刷し、デザインに採り込むことによって、絵柄による見分けができるカラーユニバーサルを実現するとともに、あらゆる人が見ても美しいデザインに仕上げています。


〔審査委員長講評〕
色ちがいの付箋の差を分かりやすくするため、ハッチングとして日本の伝統模様を使った作品。日本の伝統色や図柄を利用した文具は従来から見られるが、ユニバーサルデザインのツールとして積極的に活用した点が評価された。
ただし、暗い環境だと識別しにくい配色もあるので、色の選択はもう少し工夫の余地がある。また、模様が細かすぎて視力の低下した人には見分けづらいので、もう少し粗い模様にし、パターンの違いがより明確な模様を選択すると、実用性がさらに向上する。

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特別賞
作品名:ふうせんバレーボール2007 関西大会ポスターチラシ
株式会社一心社(大阪) 北村 敏之

ふうせんバレーボール2007 関西大会ポスターチラシ作品写真〔工夫点〕

  1. 色の調整=色覚に異常のない方が見ても、色弱の方が見ても、それぞれでいろいろな色が見えます。多くの人が見ても楽しめるものになるよう調整しました。
  2. 影付け=イラストに影を付け、縁の役割と立体感を出し、見やすくしています。
  3. ユニバーサルデザインフォント(字体)を使用しました。
  4. 文字の明瞭化=文字に縁を付けると同時に、白抜き文字、太字を要所に使用しています。


〔審査委員長講評〕

イベントの告知ポスターだが、多数の色を使いつつ、色弱の人にも分かりやすい色調になっており、色の配置にリズムがある。文字のレイアウトもよく配慮されていて美しく、情報が視認しやすい。

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特別賞
作品名:絵本「きょうはママのたんじょうび」
株式会社伸和(福岡) デジネスファクトリー事業部

絵本「きょうはママのたんじょうび」作品写真〔工夫点〕
視認性の狭い方にも色が同化せずに認識できるよう配慮しました。例えば、濃い緑と濃い赤を隣り合わせにしないことや、同じものが並ぶときも少しずつ色合いを変え、白い縁を入れるなど、色の同化を防止しています。
また、ストーリーの中でも、色彩や形状の描写で補填するように展開しています。文字も「イワタ・ユニバーサルデザインフォント」を採用し、見やすさを考慮しました。


〔審査委員長講評〕
配色を工夫すると共に、登場人物の服などにハッチングを施して、違いを分かりやすくしている。
ただし、ハッチングの大きさや柄は、必ずしも絵柄にマッチしていない点があり、デザイン的に工夫の余地がある。また色の境界に施された白い縁取りも、色や幅を工夫する余地がある。

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特別賞
作品名:さいたま市まるごと体験マップ
株式会社秀飯舎(埼玉)鈴木 識江・吉田 道・深野 高志・古澤 晶子・白田 紗奈江

さいたま市まるごと体験マップ作品写真〔工夫点〕
地図上で多くの色が使えるよう、背景に色を付け、地図を白くしました。さらに、色が見えにくい方が見ても明るく楽しい感じが伝わるように、色差が出にくい黄や青系をメインに配色しました。
各所のマークについても識別しやすい配色にするとともに、簡略化されたアイコンにすることで視認性を高めています。


〔審査委員長講評〕
イラストを多用し、沢山の色を上手に組み合わせた観光マップ。この種の地図では当該市の範囲を色づけして表すことが多いが、逆に周辺市域に色をつけて当該市の背景を白にしたことにより、その上に描かれた色塗りのサインや線を視認しやすくしている。工夫されたシンボルマークとあいまって、地図の部分の可読性は極めて高い。
一方で、周囲市域に塗られた黄色が若干強すぎるので、もう少し淡い色調にした方がデザインが落ち着く。
また、名所旧跡を示す地図内のシンボルが赤い丸なのに対し、周囲に配置された該当箇所の写真の説明が青い四角なので、対応が分かりづらい。対応するものを示すシンボルは同じ色にした方がよい。また配置された写真が、露出が暗すぎたり主要な面が日陰になっていたりするなど、観光写真として今ひとつのレベルなのが残念である。

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特別賞
作品名:静岡県防災ポスター
株式会社エビス印刷(静岡) 佐藤 睦

静岡県防災ポスター作品写真〔工夫点〕
地震と津波をシンメトリックに表現しました。緊迫した状況を、2階調化したそれぞれのモチーフで表現してあります。


〔審査委員長講評〕
防災ポスターは多数の応募があったが、この作品がもっともデザインにインパクトがあった。構成がシンプルで分かりやすく、津波や地震の緊迫感が伝わってくる。
ただし、告知する内容としては、津波の際は「すぐ避難」でなく「高台に避難」とするなど、より具体的な記述の方が効果的かもしれない。また、特に防災関連のユニバーサルデザインの目的を考えると、日本語だけではなく、その地域に多い外国人の言葉でも記述することを検討する価値がある。(地域によっては必ずしも英・中・韓国語ではなく、ポルトガル語やベトナム語が重要な場合もある。)

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特別賞
作品名:エンジョイSA.PA MAP
株式会社ミヤプロ(香川) 菊本 みつこ

エンジョイSA.PA MAP作品写真〔工夫点〕
サービスエリアやパーキングエリアにある地図(案内板)と併せて使用できるよう、手軽なサイズで作成しました。
作品のポイントとして、判りやすく地図内を区別できるようにしてあります。最低限の内容にすることで、見やすくしています。色の変化が判りやすいように、破線などを使用しました。


〔審査委員長講評〕
道路地図であるが、デザインと配色がすっきりしていて、この種のマップには珍しいきれいな仕上がりになっている。かなり遠くから見ても道路の違いなどが識別しやすい。
一方、オレンジ部分の文字抜きや、島影と海の空色とが、コントラストが低すぎて視認性が低下している。

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